第38回ニューヨーク映画祭
アリス・タリー・ホール、9月2日から10月9日まで

この映画はセックスや告白、カフェでの会話といったものは削除した、ロマンティックな物語であり、ジェスチャーと感情の破片が後に残る。互いの伴侶が不倫していることを発見した二人は恋に落ちていく。トニーの青緑色と金朱色の瞳の中に映る涙ぐんだ優しさ、戸口の脇柱をそっと撫でるマギー・チャンの指先が物語る。常に愛ははかなく、ムードは藍色。映画は痛々しいほど、衝撃的なくらい美しい。最後はアンコール・ワットで幕を閉じ、監督のどの作品より、静かで落ち着いたものとなっている。